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mailto「現場」研究会について今月の「現場」研究会
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2009年3月

今月の現場研のテーマは、前回に引き続き「アート・アクティビズム」です。
「VOL3」に掲載された次の論文・インタビューをテキストに使用しました↓

デヴィッド・グレーバー「前衛主義のたそがれ」
ブライアン・ホームズ「文化的問題の諸空間」

会合は発表者を立てずディスカッションのみで進行しました。
簡単に消化できないテーマのせいもあってか、
メンバーの意見交換も手探りで進むような雰囲気があったと思います。

最初に話題が集中したのはグレーバーのテキストでした。
グレーバーは、アナーキストの集団が合意形成に到るまでの方法について触れています。
参加者の意見に誠意と善意を持って接し、討論者全員が許容できる範囲まで話し合いを続けるというスタイルは、
多様性の問題を考えるにあたって現場研にとってもひとつの手掛かりとなりそうです。
あと、「情動(affection)」という概念も前回から浮上している重要なキーワードですね。

自分の経験に引きつけて考えることのできるテーマだからでしょうか、
色んな糸口から次第に議論が広がっていったように思えます。
匿名の人間が参加するamazonレビューや赤瀬川原平の千円札裁判の話など、
今回はいろんな話題が飛び出しました。

政治的効果と芸術性を連動させたポリティカルアートはこれから生まれるのか、
また、アナーキズムの可能性を現代につなげることはできるのか。
「アート・アクティビズム」をテーマとした議論はまだまだこれからも続きそうです。(M・N)

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