2009年10月
アート・アクティヴィズム 美術館問題について――新潟市美術館
10月の「現場」研究会は、北川フラム氏が館長を勤める新潟市美術館の問題について「新潟市美術館を考える会」が提出した文書をメンバー間で読み、討議を行った。
これまで「現場」研究会はアート・アクティヴィズムをテーマにしてきた。今回新潟市美術館問題を取り上げたのは、北川フラム氏が、アートのジャンルにおける実業家であると同時に、アパルトヘイト・ノンに見られるような活動家(アクティヴィスト)としての一面を持っていることに注目したためである。
現在、公立美術館において保存と展示という美術館の二つの役割は乖離しつつあるかにみえる。また、美術館を拠点とするオフ・ギャラリーの動きも活発化しつつある。財政難の問題も、そこには絡んでいる。公立美術館は、いま、かつてない変化にみまわれつつあるようだ。
今回の討議は、こうした美術館の現状と行く末を考える良い契機となった。
こうした問題にアクティヴィストとしての北川フラムが、如何なる戦略、戦術を以てかかわろつとしているのか、今後の関心の焦点は、そこにある。