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2011年2月

博物館施設としてのアウシュヴィッツと東欧四方山話

今月は、昨年の秋にポーランドやチェコを訪れたという足立元氏から、現在は博物館施設となっているかつてのアウシュヴィッツ強制収容所やチェコで見聞した美術の様子を、足立氏自身が現地で撮り溜めた豊富な写真をまじえてお話いただいた。

第二次世界大戦下にナチスドイツによってつくられた強制収容所であるアウシュヴィッツは、現在ではポーランド国立オシフィエンチム博物館として世界中から多くの人々が訪れ、かつてここで行なわれた惨劇を風化させない場になっている。

収容されていた人々の遺品や写真を展示している第一強制収容所と、建物等をできる限り当時のまま残すように務めているエコミュージアム的な第二強制収容所。
これらの写真が会場の壁に映し出されるたびにメンバーは一様に身を乗り出して足立氏の解説に耳を傾け、歴史や戦争を扱う他のミュージアムとの違いはどうかなどの質問が飛び交った。

その後は主にチェコを訪問した際のお話を。
足立氏が現地で見てまわった現代美術に関する展示や彼の地が生誕地であるカフカのことなどを、ユーゲントシュティールの影響を受けた美しい街並みの写真を見ながら拝聴した。

アウシュヴィッツにしろチェコにしろ、名称はよく耳にするものの訪れる機会がなかなか無い場所であり、実際に自分の足で辿られた足立氏から詳しいお話を伺うことができたことは、メンバー一同、大変貴重な機会となった。


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