2011年7月

著作権と美術について――作田知樹氏（Arts and Law）を迎えて

今回は法律家による芸術法相談所Arts and Lawの代表を務める作田知樹氏をお迎えし著作権と美術について伺った。

「現場」研究会として著作権をテーマに扱うのは今回が３回目であるが、前２回が実際の事例を基に法律的な側面からのアプローチだったことに対し、今回は著作権と美学の関わりの歴史から、デュシャンなど近代美術や赤瀬川原平のニセ札など現代アートとの関わりを捉えることによって著作権がアートに及ぼした影響を見つめ、現在の在り方を考えていくものとなった。
ディスカッションでは、日本ではなかなか進まないフェアユースについてなど日本と海外の違いや、国内においてでも写真や映像など業界によって著作権に対する取り組みに温度差があること、また、次世代メディアが続々と登場する中で著作権が実情に追いつくことの困難さ・・・など他、話題は広範囲にわたり、質問の絶えない活気のある会となった。